何が好きなのかわからない、どんな仕事をすればいいかもわからない。あなたにもこのような悩みがあれば、ペンをもって、シンプルなグラフであなたの生きがいを見つけましょう!


最近たくさんの友達に会いましたが、なかには卒業を控えている人もいれば、転職しようとしている人もいて、誰もが自分の人生に迷っています。何が好きなのか、何に向いているのか、人生の意味なんてなおさら分かりません。生きるのは何のためでしょうか。

日本語には生きる意味、つまり毎日起きる理由、生きる理由を表す、「生きがい」という言葉があります。この精神的哲学は日本の文化に浸透しています。寿司屋の大将や、漆職人、アニメーターなどの職人が一生をかけて、一つだけのことをやりこなし、世界を変え自分を満たすことが、生きがいに従うことであると示しています。

人は自分の生きがいをどのように見出すのでしょうか。長く日本に住んでいる、スペイン人の写真家のエクトル・ガルシア氏は、日本中を飛びまわって、深く感銘を受けました。彼は日本人の幸せの秘密について、『外国人が見つけた長寿ニッポン幸せの秘密(IKIGAI)』(Ikigai: The Japanese Secret to a Long and Happy Life)という本に書いています。

好き・得意・お金がもらえる・世界にいい影響を与える・の集合体

ガルシア氏は、生きがいは「やっていて楽しい、得意、人がお金を払ってくれる、世界が必要としている」の4つの要素によってできていると主張しています。

写真|zoeyk

1.好きなこと(Things you love):

その名の通りですが、特別な動機は必要ない、つまりチャンスがある限りあなたが楽しみたいと思うことです。たとえば、日常生活の食事や寝ること、お風呂に入ること、マッサージ、あるいは、旅行、読書、映画鑑賞、運動、絵を描くこと、友達とのおしゃべり、買い物といった趣味のことです。些細だったり、他の人にとってはおかしく聞こえるようなこと、たとえば猫と遊ぶことや、犬の肉球のにおいをかぐといったことも、立派な趣味だといえます。

2.得意なこと(Things you’re good at):

自分にとってはチョロい、あるいはよくほめられること、たとえば、マーケティング、会計、デザイン、発表やカスタマーサービスなどです。または性格上の取り柄、たとえば人の話を聴く、ポイントを絞る、書類を片付けることが上手、あるいは親切、社交的、分析力がある、学習スピードが速いなどです。ほかにも身体上の取り柄、たとえば体がスリムだとか、容姿端麗、力が強い、個性的な顔立ちなどです。簡単にできること、自信をもたらしてくれることなら、それは得意なことです。

3. 人がお金を払ってくれること(Things you can be paid for):

誰かがお金を払ってでも助けてもらいたいことで、あなたにとっては好きで得意なことを、ある程度みがくと、それにお金を払ってあなたを雇いたいという人が現れます。たとえば、グラフィックデザイン、セールス、取材、財務会計、文案作成などです。生き続けるにはある程度の財産が必要です。あなたはどんな才能を生かして稼いでいますか?潜在的にどのようなスキルをもっているでしょうか?

4.世界が必要としていること(What the world needs):

世界は何を必要としていると思いますか?いいデザインなのか、わかりやすい情報、おもしろいイベント、ジェンダー・フレンドリーな社会なのでしょうか。あるいは温かい愛情なのか、穏やかな心、明るい考え、心からの分かち合いなのでしょうか。困窮や環境汚染を減らすこと、戦争をなくすことなのでしょうか。あなたが気になっていることで、世界が必要としている価値はなんだと思いますか?

この4つの要素がそろっていることが、あなたの生きがいかもしれません。私の経験を例としてあげましょう。私は書くことが大好きで、文章を書くたび「ゾーン状態」に入り、時間を忘れて、文字と二人っきりになります。書くことは趣味で、得意なことでもあります。語彙に鋭くて、読み手に伝わるにはどのように書くのかも把握しています。

専業のライターになったら、文章を書くことが生活における収入源になりました。自分が傷ついた経験と、立ち直って内なる力を取り戻す方法を、誰かが世界にシェアする必要があるのではないかと思い、それらを Womany コラムの大事なテーマにしました。これからも実際にあったことを書いて、読者に寄り添いたいです。読者からコメントをもらうたびに、自分の書いた文章には価値と意味があるんだと確信できました。つまり、私にとって今の生きがいは、実感と力のあるストーリーを書き、皆を癒し、そっと寄り添うことです。

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まだ見つかっていないなら、探検を続けましょう

4つの要素が交わるところがまだ見つかっていなくても大丈夫です。探したり、培ったりする時間がもう少し必要なだけかもしれません。私自身、文章を書くことは、ただ単に好きなことであったのが、得意なことになって、コラムを書き始め、収入を得たりコメントをもらったりするようになるまで、けっこう時間がかかりました。そしてようやく、これに間違いないと確信できたのです。いろいろ試してみて、自分に制限をかけず、新しいことに触れてみたり、好きなことを続けたりして、自分らしい仕事につなげる可能性を広げていきましょう。

人生が終わるまでに、その交わりが見つからなければどうすればよいでしょうか?それでもかまいません。少なくともこの方法を通じて、自分は何で稼いでいくのかを明確にすることができます。その仕事にあまり強い情熱をもっていないかもしれませんが、その分、オフの時間には好きなことを好きなだけやって、心を満たしましょう。これは空欄を埋めて交わったところを見つければ満点をとれるテストではなく、自分について知り、考えるための方法なのです。

今年、Womany が行った「自分を愛する ハッピーライフフェスタ」のワークショップで、読者と一緒にこの方法を実施しました。世界に愛と平和、思いやりと助け合いが必要だと思うけど、それは自分の仕事とは関係なく見えて、交わらせる方法が分からないから、達成感はあるけどときどき迷ってしまう、というのが多くの人の質問でした。今の仕事に大事に思っている価値を取り込んで、両者の距離を縮めることをお勧めします。たとえば、環境保護という価値を大切にしているイベントプランナーの場合であれば、項目に環境にやさしいことを取り込んでみましょう。世界に愛をもたらしたければ、同僚と仕事をしたり、参加者と触れ合ったりするときに、この気持ちを持って実行してみましょう。

特定のポジションにいなければ完全な自分を叶えられないとは限りません。日常生活のなかでも生きがいを実行できるチャンスはたくさんあります。

仕事じゃなくても、些細なことでも生きがいになる

4つの要素で一生続けたい仕事を探すこともありますが、多くの場合、生きがいは仕事ではなくて、今を楽しめるかどうかにつながるのです。

日本の脳科学者、茂木健一郎氏の著作『IKIGAI―日本人だけの長く幸せな人生を送る秘訣』(The Little Book of Ikigai)は、今年の5月、中国語に翻訳され発売されました。著者は、生きがいの要素に「小さくはじめる」、「自分からの解放」、「調和と持続可能性」、「些細な喜び」、「今この瞬間を生きる」の5つを挙げます。

上で紹介した4つの要素と比べて、著者は、日常生活のなかに人生の喜びを感じさせる小さななものがたくさんあることに注目しています。たとえば、朝のコーヒー、隣人とのあいさつ、渋滞していない道、片付けられたばかりのキレイな部屋、栄養満点でおいしい食事といった、些細に見えるけど、小さな幸せが毎日起き続けることです。給料が上がる、昇進する、宝くじに当たるなど、花火のように一瞬で消えてしまう幸せと違って、小さいですがいつでも遭遇できるものです。

私にとって、毎日家に帰るとワンちゃんがしっぽをふって、抱っこしてとしがみついてくるのを見て、一緒にベッドに入って、柔らかくて温かいワンちゃんを撫でるのが、今の生きがいです。毎日ワンちゃんと一緒にいるためだけに生きて、無条件の愛情に満たされ、小さな命を世話する幸せを味わいたいです。

あなたにとって、ちっぽけで、でも大事な生きがいは何でしょうか?一生を尽くしてやりとげたい、実行したいことは何でしょうか?自分の生きがいを見つけて、満足できる、充実した人生を生きましょう!