ありのままで人と付き合ったらみんなが離れてしまうのではと恐れて自分を隠そうとしますが、あれこれ心配しすぎて不自然にキャラを作ることも、みんなとうまくいかない原因かもしれません。


柚子甜さま

私は29歳の女性です。安定した仕事に就いていますが、見た目がいいとは言えません。いつも外見に自信がありません。彼氏といっしょにいるときも、外見のせいで彼が離れてしまうのではないかといつも心配しています。結局それが現実となりました。そのせいでときどき自分を卑下してしまいます。ちゃんと愛し合っているような恋を叶えたくても、どうすればいいのかわからなくて、難しいと感じます。男性が近づいてきてもそれは本気ではなくてうそに見えてしまい、自信を持てず、仕事も生活もめちゃくちゃになりました。どうすれば心から嬉しくなるのかさっぱりわかりません。教えてもらえませんか。

みかん(仮名)より

皆さんにも、そういう経験がありますか?

自分のことを良くない、自分に自信がないと思うから、必死に自分を良くして、他人に完璧だと思われるために、ダイエットをしたり、服や化粧品をたくさん買ったり、楽しくなくても笑顔を作ったり、イヤなことを頼まれても断り方を知らないから、不満を隠して「大丈夫」「いいよ」などと口にしたりします。

しかし、やがてあなたは疲れてしまいます。周りのみんなは心から自分のことが好きなのだろうかと心配しつつ、本当の自分を見せたらみんなが離れていくと思って、自分ではない誰かを演じ続けます。

そしてあなたはますます悲しくなり、安心を感じられなくなり、何もつかめなくなってしまいます。

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親愛なるみかんさま

まずは1つのことを明らかにしたいです。彼が去ってしまうことと見た目の良さに、直接的な因果関係はありません。見た目が普通でも恋愛関係がうまくいっている人もいるし、二股されたキレイな女優さんもいます。したがって、美人を見るのは確かにうれしいかもしれませんが、彼女に忠実な態度をとるかどうかは見た目とは関係はありません。

彼が去ってしまう理由ですが、見た目はただの口実かもしれません。普段の付き合いに全く問題がなく、別れる理由はただ外見がよくないだけ、ということはないでしょう。それを理由としてあげるのは、それが1番ダイレクトで、どうしようもないことだからです。

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相手が好きになってくれるには外見をよくするのではなく、「オーラ」を増すこと

キレイで若くて、スタイルもいい女の子であっても、どう思われているか、言動はどうだったか、陰口を言われていないか、パートナーに好かれていなかったらどうしよう、そういうのを気にしてばかりいて、誰かが決めてからしか自分の意見が言えない、人の言いなりになります。

彼女の笑顔は、苦しみを隠しているのです。本音に逆らった建前を言ったり、職場で責任範囲外のことをやったり、戦うべきときに笑って「いいよ」と言ったり、迷惑をかけたくないからいつも「どれでもいい」と言ったりします。そのような女の子は、たとえどれほどキレイでやさしくても、彼女のそばにいるだけでつらくて、離れたくなります。なぜかというと、彼女の「オーラ」が弱いからです。

「オーラ」のつよい女の子は、たとえ美人ではなくても、彼女のそばにいたいと思わせるようなふしぎな安心感が漂います。

このような女の子に会ったことがあるでしょう。みんなに好かれている女の子。でもその理由は、彼女が完璧で、怒ったことがないからというわけではなくて、彼女のそばにいるのが心地いいからです。彼女が「そうです/いいですよ」と言うとき、その裏に秘められた考えなどありません。誰かの機嫌をとるためのものでもありません(機嫌をとられるのは悪い気持ちはしないですが、ずっと続くとかなりのプレッシャーで逃げたくなります。これ本当です)。彼女が何かをしてくれるのは媚びるためではなくて、ただそれができるからです。彼女の周りの人たちは、彼女が自分を生きている人だから、彼女といれば自分でいられることを知っています。

そういう女の子を何人も見てきました。美しさでは右に出るものがいないわけではなく、もしくは「キレイ」とは言えない彼女たちは、「キレイじゃない、まだまだ足りない、好かれる価値がない」という自己否定に陥った時期もありました。しかし、彼女たちは自分だけの強い「オーラ」を身にまとっていて、たとえおめかししていなくても光って見えます。

彼女たちが好きな人は大勢いて、みんなは心からの仲良しで、彼氏も迷うことなくそばにいつづけます。審美眼のある男性は知っています。美人は珍しくない。珍しいのは2人ともが無理をせず、機嫌をとらないで、自由に楽しく付き合える関係です。

では、その「オーラ」はどうやって身につけるのかと聞くなら、まずは自分に素直になることからと答えます。

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オーラとは、簡単に言えば、「これが私で、あなたのために変えようとしない」という自信なのです。

友達が遅刻してスケジュールを乱したのに、機嫌をとるために、内心では怒っていても「いいよ」と返事をしたり、週末にパートナーがいてほしいのに、それでも「友達と出かけてもいいよ」と言ったり、誰かと世間話をしているとき、自分の立場が他人と違っていれば嫌われると心配して、長いものに巻かれていたら、自分なりの主張も、考えも、特色もない人になってしまいます。

私たちの心は、自分自身の言葉に騙されたり裏切られたりすれば、猜疑心が大きくなり、本来もつ「あなたのために変えようとしない」という勢いも削れていってしまいます。

「妥協」と「物分かりのよさ」は、しばらくは彼氏を引きとめたり、友達を作ったりできるかもしれませんが、針のむしろに座るような恋愛や友情は長く続きません。私たちの勢いが弱くなれば不安になり、不安になれば「妥協」と「物分かり」で安心感をえるために自分に無理をさせます。そこで悪循環に陥ってしまうのです。自分のことがだんだんキライになり、仲良しも表面だけのものとなってしまいます。

自分の「オーラ」と引き替えにしてまで仲良くならないといけない人や、果たさなければならないことはありません。

最後に、あなたに一言をお送りします。

「人が離れていくのが怖いなら、『何をしてあげられるか』ではなく、『自分のために何ができるか』を考えるべきです」

無理して引きとめた人が離れていくのは時間の問題なのです。自分に素直になって、私たちのオーラに惹かれる人こそが本当の友達、本当の恋人なのです。

同じくやさしいオーラをつけるように頑張っている

柚子甜より