生放送でナプキンを映すとクレームが来る。ピルを飲んでいたらヤリマンだと言われる。女性の身体に対する無知を表す事柄は常に起こっています。世間はいつ女性を理解し、解放するのでしょうか?


女の子が避妊薬を飲んでいるのを見たら、頭に最初に浮かんでくる考えは何でしょうか?多くの人はあまり考えず、ただ避妊したいだけだろうと思うでしょう。しかし、ピルは避妊薬として使われるだけでなく、実は生理を整えることもできるのをご存知でしょうか。それにもかかわらず、避妊薬といえばすぐセックスを連想してしまうため、いまだに汚名を着せられています。

今年の5月、避妊薬に関するツイートが話題になりました。女子高校生による1件のツイートは、瞬く間に6万人にリツイートされました。

聞いてください 現役女子高生 ピル飲んでます

偏見をなくしたいです

この間、保健の授業で先生が『皆さんの中で飲んでる人はいないと思うけど』と言っていて悲しくなりました

その教育遅れてません?

ピルは『避妊』目的だけじゃありません

教師が進んで生理が辛い女の子の肩身狭めないで

「皆さんの中で飲んでる人はいないと思うけど」と保健の先生が言うと、学生たちはそれを聞いて、知らず知らずのうちにステレオタイプな概念を教わる恐れがあります。その女子高校生によると、教科書でもピルは「避妊法」の1つとしてしか紹介されておらず、生理にともなう苦痛をやわらげる効果などは、いっさい書かれていないそうです。世間の避妊薬に対する理解が足りていなかったら、避妊薬について、そしてそれを飲む女性について誤解してしまうだけでなく、彼女たちに思いやりを持つこともできません。

写真|CommonWealth誌

避妊薬の効用は避妊だけではない

「避妊薬」の名前には「避妊」の2文字が入っていますが、避妊はあくまで主な効用に過ぎず、他の使い道がないとは限りません。

生理痛は、多くの女性が抱えている悩みです。症状は人によって違いますが、ある人は湯たんぽでお腹を温めたり、痛み止めを飲んだりすることで、痛みが緩和しますが、ある人は痛すぎてベッドから起き上がれず、歩くこともできません。先日、生理が来るとお腹が激しく痛むので、子宮に異常がないかを調べるため、婦人科の先生にレントゲンをとってもらいました。しかし検査の結果によると、子宮に異常はありません。つまり、理由もなく、生理が来ると必ず痛みがともなうということです。

お腹を温めたり、痛み止めを飲んだりするほかに、痛みをやわらげる方法はないのでしょうか。実は、医者の指示に従って低用量ピルを飲むのも選択肢の1つなのです。

「ピルを飲めば生理痛みがやわらぎますか」「副作用はありますか」といった質問に、台湾の衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)の保健教育推進サイトはこう答えています。

低用量ピルはホルモンのバランスを調整し、生理の周期を整えることができます。また、子宮内膜の増殖を防ぐので、生理痛をやわらげ、生理の量を減らすことができます。月経困難症の患者のうち、9割以上がピルを飲むと痛みが緩和されます。

低用量ピルはホルモンを調節して、生理を整え、生理痛をやわらげることができます。多くの女性を生理トラブルから救う解決策といえます。

とはいえ、避妊の目的でピルを飲むのも悪いことではありません。飲むか飲まないかは女性の自由で、世間から非難を受けることではありません。

写真|pixtastock

避妊薬を飲んでいても「ヤレる女」と思われる理由はない

避妊薬を飲んでいるからといって、避妊したいとは限りません。しかし、たとえ避妊したいから飲んだとしても、何か問題があるのでしょうか?

避妊の方法といえば、コンドームを使う、安全期を計算するなどさまざまで、低用量ピルもその1つです。よく使われている避妊方法の中で、低用量ピルの成功率は90~99%であり、もっとも高い方法です。

もちろん、女性には自分に合った避妊方法を選ぶ権利があります。医者の診断を受け、深刻な副作用もなければ、長期的にピルで避妊するのはおかしいことではなく、とても健康なことです。

「避妊薬を飲む」のはネガティブなことではありませんし、「性」にかかわる話も、汚いとか、わいせつだと思われるべきではありません。避妊薬を飲んでいるからといって、セックスにオープンとは限りませんし、セックスにオープンだとしても、ヤリマンとは限りません。

女性が、自分自身の身体が欲しているもの、現在の状態、避妊薬や生理などについて遠慮せずに話すことができ、どの道を選んでも、いわれのない批判を受けることなく、自分に合った生き方を見つけて、心地よく自由に生きられる日がくることを願っています。