経済的に自立していますか?確かに働くのは簡単なことではありませんが、経済的に自立することで手に入る自由は、何よりも輝く宝なのです。


一人で風の寒い夜の街に立ち、家賃を支払って残ったわずかな残高を見て、絶望と焦燥を覚えます。

落ち着く小さなアパートに住む、ねこを2匹飼って最高の食事と住み処をあげる、季節のイベントで胸を張って愛しい人にプレゼントを贈り、その驚いた顔を胸に刻むような、そんな理想の生活を送りたいです。

冒険する勇気がほしいです。それがあれば、我慢できなくなったらすぐに仕事をやめる、人生の可能性を拓く、わがままな旅をする、着るものや食べるもので悩まない、起業するなんてこともできるかもしれません。

しかし、焦燥と恐怖を抱えて、生活への不安に飲み込まれそうになるときがあり、そんな時には、どうして経済的に自立する必要があるのか?どのような状態に達したら経済的に自立していると言えるのか?経済的に自立するには何から始めればいいのか?など、多くの疑問で私の心は支配されます。

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経済的自立は、自分の人生を自分で選びとっていくための基盤

イギリスの作家、ヴァージニア・ウルフは、お金と自由と女性の関係について、「女性が小説を書くには自分のお金と自分の部屋が必要だ」と話しました。

心配事を気にも留めず、書くことに専念できる女性はみんな自由な心を持っています。給料が足りているかと心配することはないし、クビになって生活が苦しくなるという恐れもありません。理想の生活をつくるための冒険的なアイデアが浮かんだとき、誰にも縛られずに必ずそれを叶えることができます。それは、他の誰にも依存しない「fuck you money」があるからです。「fuck you money」とは、仕事で受け入れがたいことがあったときに「fuck you(くたばれ)」と吐き捨てて立ち去っても、生活に困らないほど十分な蓄えがあることです。

「fuck you money」があれば、窮地に陥ったり、仕事や人にうんざりしたとき、正々堂々と立ち去ることができます。

―アメリカ女優 ルーシー・リュー

「自分のお金」は私たちを自由にしてくれます。貯金や金融商品を持つことで、他人に依存せず、自分の手で人生をつかむことができます。2018年にWomanyが実施した経済的自立調査によると、回答者の77%が「経済的に自立することによって自由な生活と思考をもたらす」ことに同意しました。また、「経済的に自立することによって、生活の質を向上させ、自分を愛せる、ゴールを目指して走ることにつながる」に同意した回答者も60%を超えています。

経済的自立は、私たちを焦燥と不安から救い出し、自立した生活を送れるほど強くて自由で恐れを知らない女性にしてくれます。

強くいられるのは、経済的に自立して安定した生活を送り、予想外の変化にも対処できるからです。自由でいられるのは、素晴らしい生活を自分から求め、自分でそれを叶え、溢れるようにたくさんの選択肢を持っているからです。恐れを知らないのは、経済的自立が夢を追うための勇気をくれ、気ままな旅行でも、転職でも、起業でも、夢のままで終わらせない力があるからです。

パワフルになりたい、自由自在になりたい、夢を叶えるために恐れずに生きたい。そんな願いがたくさんあるでしょう。そう願いながら、現状に不安や不満を抱きがちです。それらの焦燥と不満は、お金との付き合い方がまだ分からないことによって生じるものです。大丈夫です、理想の自分をつくるのに手遅れということはありませんから。まずは、支出を記録して消費パターンを見出すことから始め、お金との付き合い方を勉強していきましょう。

自由になるには生活を整えてから

台湾の有名な女性事業家・何麗玲氏の最も知られている金銭管理の方法は、小学校から始めた、寝る前に記帳をすることです。何氏は「人生ではっきりしていない1ページは誰にでもある。でも放っておけばますます片付けられなくなる」と言います。

そのため、毎日寝る前に、いつも何分かかけて1日の支出を記録します。記帳するのは、お金を整えるというより、生活を整えることです。しかし、記帳をつける前に諦めてしまうのは多くの人の悩みであり、簡単なことではありません。そこで『小さな習慣』(Atomic Habits)の著者、ジェームス・クリアによる3つの提案を見て、いい習慣を身につけてお金と仲良くしましょう。

1.掲げるのをためらうほど簡単な目標を設定する

習慣を身につけるには、うまくやっているかどうかにかかわらず、諦めないことが何よりも大事です。目標が大きすぎると、実現させるまでが辛いし、そのプレッシャーも、投げ出してしまいたいと思わせるほど大きいです。

そのため、ある習慣を身につけるなら、最初は見て笑ってしまうくらいの超簡単な目標を設定しましょう。たとえば、トレーニングしたいなら腕立て伏せを1日1回する、文章を書きたいなら1日3句から始めましょう。

ミニ習慣を30日間つづけることができたら、少しずつ難易度を上げていきましょう。そうすればプレッシャーになりません。記帳を始めようとするなら、お金を払うたびに携帯に記録しましょう。

2.少し時間をかけて習慣を身につけられない原因を考えてみる

振り返ってみれば、設定したものの中途半端になった計画がありますよね。だけど、「どうせ自分は運動を好きになれない人間なんだ」「どうせ自分は金銭管理が苦手なんだ」というネガティブなレッテルを貼るよりも、自分を責めないで習慣を身につけられない原因を考えてみましょう。

支出を全部書き込めなかったのは、寝る前に記帳するのは眠いから、外で買い物するときみんなの前で記帳するのは恥ずかしいから、それともほかの原因なのか、自分に時間をあげて、遊びの延長のように違う記帳ツールや方法を試したり、記帳する時間を変更したり実験してみましょう。それで解決できるかもしれませんよ。

3.同じ過ちをくり返さない!

うっかりして計画を中断してしまうと挫折感と罪悪感を覚えますが、そんなときにはここまで頑張ってきたこと思い出してください。自分に寛容になり、辛い気持ちを解消して過ちに向き合い、邪魔してくるものを見つけ出します。そうすると、また新しい策を立てることができます。

計画を立てるとき、「同じ過ちをくり返さない」という言葉を心に銘じておくことをクリア氏は勧めています。それから、締め切りを決めるよりもスケジュールを立てること。たとえば、1か月で1万円を貯めるというよりも、毎日記帳をする時間を決めるということです。毎日つづけることは何よりも大事です。手帳に書き込むという時間を作ることは、日を重ねるごとに夢に近づくことを自分と約束するようなものです。

最後に、より良い自分になるのは、他人のためではなく自分のためだということを忘れるなと、クリア氏は忠告します。今日から、記帳で生活を整えるという旅に出ましょう。毎日実行することによって、生活への焦燥と不安を少しずつ解消していきましょう。そして、実践的に経済的自立を目指し、自信のある、恐れの知らない強い女性になりましょう。