ドラマや映画などはよく恋をテーマにしますが、日常生活の恋にもドラマのような展開があります。あなたの生活にも同じような瞬間がありますか?


ドラマ≪深夜のダメ恋図鑑≫は、尾崎衣良による同名漫画を原作とした、3人の女性の恋愛を描く物語です。恋愛経験が少なく、いつも男に騙される円、愛のため献身的になってダメな彼氏を育ててしまう佐和子、そして王子様と結婚することを夢見る千代。3人が女子会で吐露する毒に満ちた言葉は、マンガでも、ドラマでも、20代の女性の正直な気持ちを代弁していました。

人生は本当に大変で、ただまともな恋をしたいだけなのに、なんでこんなに難しいの?

写真|『深夜のダメ恋図鑑』HPより

1.「仕事しかしない人間は一体何してそんなに疲れるの?まさか、息?」

主人公の1人の佐和子と彼氏の諒の話は、愛のためにすべてをささげる女の子とダメな彼氏との物語です。仕事を終えて佐和子が急いで晩ごはんを作っているときに、諒は床に寝転がって佐和子に頼み続けます。「とり肉か、明日はステーキとかビーフカツとかスタミナな品物作ってよ。それとアイロンかけ頼むよ。チャチャっとアイロンかければ済むことじゃん。」

このようなシーン、きっと見覚えがあるのではないでしょうか。彼氏は家事を手伝わないのに、そのくせ亭主関白ではないふりをします。パートナーに何かを頼むときに思いやりが足りないだけでなく、理解しようともしない人は大勢います。その「チャチャっとアイロンかければ済むことじゃん」は、佐和子の腹を立たせる引き金なのです。

佐和子は箸をおいて、怒鳴ります。

「ねえ、諒君って何してそんなに疲れるの?私は残業もこなして帰ってきて駅前のスーパーに寄って食材を買って、夕ごはんと朝ごはんを作って、毎日掃除もして洗濯もして、仕事に家事、お前の世話で疲れてるわけだけど、諒君、仕事だけしてそんなに疲れちゃうの?1日8時間眠れる生活でそんなに疲れちゃって大丈夫?老衰?死ぬ直前?一体何してそんなに疲れるの?まさか、息?」

写真|『深夜のダメ恋図鑑』公式ツイッターより

ここから、女性はいつも家事を担いながら職場で活躍するよう期待され、まいってしまうのがわかります。2人が同棲するなら、家事をいつも女性に押し付けるのではなく、個人の能力を考慮し、2人で分担するべきです。

2.「で、オマエとつき合ったところでいったい何に勝てるの?」

2人目の主人公は、良い出会いに恵まれない円です。

 

恋をしたいのに、変な男しか寄ってこないというタイプの女の子がいます。その1人である円を追いかけた男は、独身に見せかけた既婚者、深い付き合いでもないのに付き合っていると言いふらす童貞男、女性を子どもを産む道具としか見なさないデキる男など、おかしい人ばかりです。恋がしたいのに、価値観が合わない。しかもオレに合わせろと言う人にばかり出会うのは実に困ります。

写真|『深夜のダメ恋図鑑』公式ツイッターより

円の恋愛経験に勝手に口を出して「もう25歳なのか?こんなにかわいいのに彼氏がいないの?かわいそう!俺と付き合ってみないか?」と円を負け犬のようにからかう人がいます。

 

3人の中で1番口の悪い円は、白い目を向け「で、オマエとつき合ったところでいったい何に勝てるの?」と言い返しました。

 

ここには、結婚市場に関する根拠の薄い社会通念が見て取れます。どうして独身を選んだほうは負けなのでしょうか?かわいい女性は彼氏がいないと「問題がある」と決めつけられます。世間の独身女性への偏見は根深いものです。女性はみんな、自分の価値を、彼氏がいるかどうかにつなげるわけではありません。

3.「何も自分の母親と比べなくても。そんなにママのご飯がいいなら、ママのおっぱいに顆粒だしでも振って、一生吸いついてろ!」

写真|『深夜のダメ恋図鑑』公式ツイッターより

体だけが成長しているようなパートナーもいます。かわいいときもありますが、マザコンのようで困らせるときもあります。思い通りにいかないと、「でもうちの母さんは」「でも元カノは」と言ってきます。

ある日、彼氏の諒はみそ汁の味が薄いとまた文句をつけ、佐和子にお母さんを見習えと言いました。それを聞いて悩んだ佐和子は、高いかつお節を買ってだしをとりましたが、それでも諒の口に合いませんでした。結局、諒のお母さんは顆粒だしを使っていることが判明しました。彼はただお母さんの味に慣れているから佐和子の料理をマズいと批判したのです。

そこで佐和子は「勝手な思い込みでママの味とは違うからマズいって決めつけるのは恥ずかしいわよ」と吐き捨てました。

「何も自分の母親と比べなくても。そんなにママのご飯がいいなら、ママのおっぱいに顆粒だしでも振って、一生吸いついてろ!」

4.独身女性はブーケ・トスしなければならないの?「何?この見世物状態。」

円は後輩の結婚式に出席しました。ブーケ・トスが始まると、司会者が出席している独身女性を前に呼び出し、ブーケを受け取った女性は、次に結婚ができると言われていると説明しました。花嫁が投げると、全員が一歩下がり、ブーケが地面に落ちてしまったという気まずい空気になりました。円はこの「伝統的でロマンチックな儀式」をこう批判しました。

「何?この見世物状態。」

写真|『深夜のダメ恋図鑑』公式ツイッターより

そうですね。どうして独身女性だけが前に出て、うれしいふりをして受けなければならないのでしょうか?受けたい人が前に出て、受けたくない人は笑って見ればいいのではないでしょうか?独身女性でも、自分の運命を決める権利があるのです。

5. 「かっこよくて、紳士的でスマートで、お城に住んでいる!」「豊臣秀吉とか?」

おかしいのは男だけではありません。恋愛に非現実的な幻想を抱いている女性もいることを、このドラマは指摘しています。千代は小さいころから少女マンガを読んできた、幻想に生きる女性です。彼女は、いつか王子様と結婚する、「本物の王子様はおならをしない」と確信していて、友達が必死につっこんでも揺るぎません。

写真|『深夜のダメ恋図鑑』公式ツイッターより

「王子の定義って何?」

「かっこよくて、紳士的でスマートで、お城に住んでいる!」

「豊臣秀吉とか?」

そんな千代は彼氏の八代をとても困らせています。八代は平凡な人生を生きたい、普通の商社マンですが、彼女のために自分を変えようと、おしゃれをして、ひざまづき、額にしかキスしない(お姫様には最初から口にキスはNG!)よう努力します。

私たちは、本物の愛に「ロマンチック」過ぎるイメージを持ちがちです。このドラマの表現はやや大げさですが、実は、私たちもその夢見る少女の千代なのです。言いづらいですが、頑張り続ければ完璧なあの人と結婚できるとわずかでも信じています。恋愛は2人が幸せであればそれでいい話なのですが、相手に本当の自分を隠し、理想のタイプになれと求め続けるのは、付き合いが長続きするためには賢明な策ではありません。相手の本当の姿を受け入れることこそ成熟した恋愛なのです。

写真|『深夜のダメ恋図鑑』公式ツイッターより

見れば見るほど、≪深夜のダメ恋図鑑≫は冗談っぽく見えて、恋愛関係を真剣に分析するドラマだとわかります。恋愛や社会において、私たちはみんな「変わり者」な部分を持っているのでしょう。

男も女も、恋を求めているうち、自分の弱点を意識しますが、過ちをおかすのは必然なので、申し訳なく思わなくてもいいです。間違った分は、自分への理解を深めることにつながるからです。

独身のあなたも、誰かと付き合っているあなたも、デートを繰り返しているあなたも、一緒に都会女子の逆襲と成長を見てみませんか。

写真|『深夜のダメ恋図鑑』公式ツイッターより